矢野経済研究所 ICT・金融ユニット

レポートサマリー
2017.05.24

インターネット広告市場に関する調査を実施(2017年)

インターネット広告国内市場規模は2020年度には1兆8,500億円までの拡大を予測。

インターネット広告国内市場の概況と予測

【図表:インターネット広告国内市場規模と予測】

【図表:インターネット広告国内市場規模と予測】
  • 矢野経済研究所推計
  • 注:インターネットの各種媒体に出稿された広告出稿額ベース
  • 注:(見込)は見込値、(予測)は予測値

インターネット広告国内市場は、スマートフォン向けの広告出稿の拡大を背景に、インフィード広告※1や動画広告が拡大している。これに加え、SEM(検索エンジンマーケティング)やアドネットワーク※2、DSP(Demand-Side Platform)※3、SSP(Supply-Side Platform)※3の利用も拡大している。

こうしたことから、2016年度のインターネット広告国内市場規模は前年度比116.0%の1兆956億1,000万円を見込む。

今後もインフィード広告や動画広告の堅調な拡大に加え、検索連動型広告やアドネットワーク、DSP、SSPの利用の拡大を背景に、2017年度には1兆2,600億円、2020年度には1兆8,500億円まで拡大すると予測する。

※1. インフィード広告とはコンテンツ配信用に加工したフィードと呼ばれるフォーマット内に表示される広告
※2. アドネットワークとはネット広告メディアのサイトを多数集めた広告配信ネットワーク
※3. DSP(Demand-Side Platform)とは条件に合った金額やタイミングで、想定されるユーザー(閲覧者)向けに自動で出稿できる広告主(広告会社)向けのプラットフォームで、SSP(Supply-Side Platform)とは広告閲覧、及び表示の際、瞬時に各媒体の広告単価を比較し、広告効果が最も高いと判断される広告を選択して媒体社(パブリッシャー)に配信するプラットフォーム

注目すべきインターネット広告国内市場の動向

■PCブラウザからスマートフォン向け広告への移行が顕著
インターネット広告国内市場に占めるスマートフォン向け広告の市場構成比は2013年度には2割強であったが、2016年度には約51%とPCブラウザ向け広告とほぼ同等まで拡大する見通しである。この背景には、スマートフォン普及によるユーザー(利用者)の増加や利用時間の拡大に伴い、広告出稿の主要媒体がスマートフォンに移行していることが挙げられる。今後は、スマートフォン広告の中でも、アプリケーション(アプリ)内における広告出稿が増加することが予測される。

■スマートフォンの普及に伴うインフィード広告の拡大
インターネットユーザーの閲覧媒体がスマートフォンに移行していることなどから、インフィード広告出稿が拡大している。以前は、大手ポータルサイト(主にPCブラウザ)が中心であったが、最近では、ソーシャルメディアやニュースアプリなどの閲覧時間が拡大している。そのため、SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)やアプリなど、トラフィック(データ通信量や接続数など)が集まる媒体、特にスマートフォンに掲載される広告出稿が好調で、なかでもインフィード広告が拡大している。

■動画広告の拡大
モバイル端末の通信環境や通信速度の向上を背景に動画視聴者が増え、動画閲覧時間も伸びていることから、各企業ともに動画広告に注力する動きが顕著である。

こうしたなか、インターネット広告国内市場における2016年度の動画広告市場規模は前年度比190.8%の866億3,000万円の見込で、今後も大幅に拡大すると予測する。

国内大手企業(ナショナルクライアント)はテレビCMから動画広告に注力してきており、特に、ソーシャルメディアを中心としたインフィード広告分野における動画広告が拡大している。動画広告は対象となる商品やサービスを訴求する運用型広告(課金式広告)として活用される傾向にあるが、企業のブランディング目的での動画広告の利活用が進んでいくことを背景に、急速に拡大していくとみる。

一方で、ユーザー側に配慮した広告配信も重要になる。広告閲覧者(ユーザー)にマイナスイメージを持たれないように、ユーザーの動画閲覧環境下において適切なタイミングやコンテンツなどの広告配信に取組んでいく必要がある。今後もユーザーの個別ニーズに配慮した広告施策が求められるものと考える。


調査要綱

調査期間:2016年6月~2017年1月
調査対象:主要広告代理店、メディアレップ、アドテクノロジー提供事業者等
調査方法:当社専門研究員による直接面談、電話・e-mailによるヒアリング、ならびに一部アンケート調査併用

※インターネット広告とは:本調査におけるインターネット広告国内市場規模は、インターネットの各種媒体に出稿された広告の出稿額を合算し、算出している。

高野 淳司(タカノ ジュンジ) 主任研究員
数多くの取材を通して得ることの出来た「生の情報」を元に、お客様が抱えている問題にしっかり耳を傾け、もっとも効果的な解決方法を発見できる調査を提案することをモットーとしています。

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