矢野経済研究所 ICT・金融ユニット

レポートサマリー
2017.04.19

国内PLM(プロダクト・ライフサイクル・マネジメント)市場に関する調査を実施(2017年)

製造業の設備投資が好調で市場は堅調、デジタライゼーションが新たな事業機会を生むと予測。

国内PLM(プロダクト・ライフサイクル・マネジメント)市場概況

2016年の国内PLM市場規模(システムメーカー出荷金額ベース)は前年比5.0%増の2,423億5,600万円の見込みである。

製造業向けのソフトウェアソリューションであるPLMの市場動向は、ほぼ製造業の業況に関連している。世界的には、中国経済の減速や英国のEU離脱の決定をきっかけとした欧州金融市場の不安定化などが要因となり、PLM世界市場は伸び悩んでいる。しかし日本国内の製造業は、内需が安定的であることに加え、2013年より始まった金融緩和および円安傾向により、製造業では輸出型企業を中心に収益が改善しており、ここ数年の設備投資は比較的好調である。そのため、国内PLM市場も堅調に推移している。

【図表:国内PLM市場規模推移と予測】

【図表:国内PLM市場規模推移と予測】
  • 矢野経済研究所推計
  • 注:PLMシステムメーカー出荷金額ベース、ハードウェア売上高を含まず、サービス・保守メンテナンス売上高を含む。
  • 注:2016年は見込値、2017年以降は予測値。

国内PLM(プロダクト・ライフサイクル・マネジメント)市場の将来予測

国内PLM市場は2017年以降も順調に成長し、2020年の国内PLM市場規模(システムメーカー出荷金額ベース)は2,900億円を予測する。

国内PLM市場を業種別にみると、自動車・輸送機械が好調である。自動車メーカーが、HEV・PHEV・EVなどの次世代自動車(xEV)の開発と市場投入において国際的な競争力を発揮していることに加え、今後は自動運転システムの開発・普及も成長要因となる。2016年に工作機械が伸び悩んだ産業機械も、市場全体では引き続き好調に推移する。電気・電子機械は、大手メーカーが台湾企業に買収されたり、経営危機に陥るなどの不安定要素が増え、ほぼ横這いから微増を予測する。

国内PLM(プロダクト・ライフサイクル・マネジメント)市場の注目すべき動向

■デジタル化(デジタライゼーション)が新たな事業機会を生み出す
デジタル化(デジタライゼーション)は、PLM市場においても重要なキーワードとなっている。ドイツ政府が推進するIndustrie4.0(インダストリー4.0)や米国GEが提唱するIndustrial Internetにみられるように、製造業においては、グローバル化、顧客ニーズの多様化、国際的な競争の激化といった環境変化に対応するため、IT技術を活用した次世代のものづくりへの取組みが加速している。今後は、製造業のすべての領域においてデジタル化(デジタライゼーション)が進むと考える。

IoT(Internet of Things、モノのインターネット)で収集した膨大な量のデータをわかりやすく可視化するためVR(Virtual Reality、仮想現実)やAR(Augmented Reality、拡張現実)などを実現するツールを提供したり、ビッグデータ解析の高度化による故障予知ソリューションを提供するなど、PLMシステムメーカーは新たな事業機会の獲得を図っている。

これまでのPLM市場は、CAD/CAM/CAEとPDMが大きな比率を占めてきたが、今後、IoTにより膨大なデジタルデータが集まるようになると、PLM市場では新たな発展が期待でき、システムツール別では、デジタル・ファクトリーやビューワ/DMU(Digital Mock-Up)といったシステムツールが大きく伸びるものと予測する。

【図表:PLMシステムツールの解説】

【図表:PLMシステムツールの解説】
  • 矢野経済研究所作成

関連リンク

■レポートサマリ
PLM(プロダクト・ライフサイクル・マネジメント)市場に関する調査結果 2015
生産管理パッケージ市場に関する調査結果 2013


調査要綱

調査期間:2016年10月~2017年3月
調査対象:PLMシステムメーカー
調査方法:当社専門研究員による直接面談、電話・e-mailによるヒアリングを併用

※PLMとは:PLM(Product Lifecycle Management)とは、開発・生産からメンテナンス、あるいはリサイクルにいたるまでの、製品のライフサイクル全般にわたり管理しようという概念である。本調査におけるPLM市場とは、それを実現するためのツールとして、CAD/CAM/CAE、PDM(Product Data Management)、デジタル・ファクトリー、ビューワ/DMU(Digital Mock-Up)等のシステムツールを対象としている。

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小林 明子(コバヤシ アキコ) 主任研究員
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