矢野経済研究所 ICT・金融ユニット

レポートサマリー
2016.08.04

ドローン(UAV/UAS)世界市場の調査を実施(2016年)

点検・検査分野が民間ドローンサービスの応用分野として今後の成長の可能性

ドローン(UAV/UAS)市場の概況

急速に拡大しているドローンの世界市場は、様々な観点からその成長性が注目されている。ドローンは、無人航空機の俗称で、UAV(Unmanned Aerial Vehicle)、UAS(Unmanned Aerial System)、RPAS(Remotely Piloted Aircraft Systems)とも呼ばれる。モーションセンサーを活用した姿勢制御技術の発展や衛星測位システムとの連携によって設定した飛行経路を巡航する機能など、操縦技術への依存度が軽減されたことによって、様々な産業分野における商用利用が見込まれている。
本調査ではUAS(ドローン本体+地上コントロールシステム)とそれによるサービスを含む全体市場としている。なお、コントロールの全てを操縦者に頼るいわゆるラジコンは除外している。

【図表:ドローン(UAV/UAS)世界市場規模予測】

【図表:ドローン(UAV/UAS)世界市場規模予測
  • 矢野経済研究所推計
  • 注:事業者売上高ベース
  • 注2.世界市場規模はUSドルで算出し、1USドル=120円(2015年の米ドル対円レートの平均値)で日本円に換算
  • 注3.2016年以降は予測値

世界の軍事用と民間用(産業用、ホビー用、サービス)のすべてを合わせた世界市場規模は、2015年で1兆2,410億円であった。2015年から2020年にかけて年平均成長率(CAGR)は12.9%で推移し、2020年には2兆2,814億円を予測する。世界市場全体では、現状で軍事用が過半を超えているが、2020年までには軍事用と民間用はほぼ半々になるものと予測する。

ドローン(UAV/UAS)の各分野別市場動向

【図表:民間ドローンサービス分野別世界市場規模予測】

【図表:民間ドローンサービス分野別世界市場規模予測】
  • 矢野経済研究所推計
  • 注:事業者売上高ベース
  • 注5.世界市場規模はUSドルで算出し、1USドル=120円(2015年の米ドル対円レートの平均値)で日本円に換算
  • 注6.2016年以降は予測値

■軍事用ドローン市場
現時点では、ドローンの最大のマーケットは軍事用アプリケーションである。軍事用ドローンの世界市場規模は、2015年の8,068億円から2020年には約1.2兆円にまで拡大すると予測する。軍事用ドローン市場は、偵察や戦闘における無人化のトレンドから、従来の有人偵察機を置き換える方向で拡大するが、民間用ドローンに比べると緩やかな成長となる見込みである。大型の軍事用ドローンはアメリカが、小型の軍事用ドローンはイスラエルがマーケットを主導しており、軍事用ドローンは、その特徴であるロバスト性(堅牢性)を活かして産業用への転用も進められているが、産業用としてはオーバースペックである場合も多い。

■民間用ドローン市場
2015年の民間用ドローンの世界市場規模は4,053億円であり、2020年には約9,000億円規模まで拡大すると予測する。
民間用ドローンの主要マーケットであるアメリカや日本をはじめとする先進国では、ドローンの商用利用には許認可を取得する必要があり、これがホビー用ドローンにも影響を与えている。しかし、ドローンを対象とする規制は発展途上にあり、アメリカは2016年6月に新たに規制緩和を行ったばかりである。民間用ドローン市場の拡大を牽引する産業用ドローンは、機体やシステム以上にそれらを活用して提供される民間用ドローンサービス市場の伸長が顕著になるものと予測する。

■民間ドローンサービス市場
2015年の民間ドローンサービスの世界市場規模は290億円で、2015年から2020年までの年平均成長率(CAGR)は50.4%で推移し、2020年には2,233憶円に達すると予測する。なかでも成長率の高いのは点検・検査分野、測量分野になるとみる。
点検・検査分野は、現行のカメラ搭載機体での画像(映像)撮影による方式だけでもその応用分野は幅広い。今後、ドローンの自律性(Autonomy)の進展や、航続距離(時間)や搭載する積載重量の進化、用途に応じた分析・適用手法の確立などによって、応用範囲は更に広がる可能性が高いものと考える。


調査要綱

調査期間:2016年1月~6月
調査対象:ドローンメーカー、ドローンサービスユーザー企業、アプリケーション企業等
調査方法:当社専門研究員による直接面談調査ならびに文献調査を併用

※ドローンとは:ドローンは、無人航空機の俗称で、UAV(Unmanned Aerial Vehicle)、UAS(Unmanned Aerial System)、RPAS(Remotely Piloted Aircraft Systems)とも呼ばれる。モーションセンサーを活用した姿勢制御技術の発展や衛星測位システムとの連携によって飛行経路を巡航する機能など、操縦技術への依存度が軽減されたことによって、様々な産業分野における商用利用が見込まれている。
本調査におけるドローンとは、ある程度の自律制御が伴う無線操縦飛行機やマルチコプターと定義し、コントロールの全てを操縦者に頼るいわゆるラジコンは除外している。

古舘 渉(フルダテ ワタル) 主任研究員
新規事業コンサルティング部門、上海現地法人、海外部門を歴任し、新規市場開拓のお手伝いには自信があります。

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