矢野経済研究所 ICT・金融ユニット

レポートサマリー
2016.05.17

ウェアラブルデバイス世界市場に関する調査を実施(2016年)

スマートバンドが市場を牽引し、スマートウォッチも普及段階へ

ウェアラブルデバイス世界(グローバル)市場

【図表:ウェアラブルデバイス世界(グローバル)市場の推移と予測】

【図表:ウェアラブルデバイス世界(グローバル)市場の推移と予測】
  • 矢野経済研究所推計
  • 注:メーカー出荷台数ベース
  • 注:2015年までは実績値、2016年は見込値、2017年以降は予測値

■2015年の市場動向
2015年のウェアラブルデバイス世界(グローバル)市場規模(メーカー出荷台数ベース)は7,105万9,000台だった。カテゴリ別ではスマートバンド4,637万台、スマートウォッチ2,218万台、ヘッドマウントディスプレイ(以下、HMD)87万4,000台、スマートグラス78万台、その他85万5,000台であり、スマートバンド、スマートウォッチが市場をけん引している。
スマートバンドは米国及び中国が大きな市場となっている。米国市場では米国医療保険制度改革法(オバマケア)の影響でスマートバンドの需要が急増し、専業メーカーを中心に急成長を遂げている。中国市場では、大手スマートフォンメーカーの周辺機器として低価格なスマートバンドが発売され、スマートフォン人気と相まって出荷台数が急増した。
スマートウォッチについては、2015年に大手スマートフォンメーカーの製品が世界中で発売され、大いに話題となった。結果、スマートウォッチに対する市場の認知度は大きく高まり、その後スマートウォッチを市場導入するメーカーが相次いだ。
スマートグラスについては、当初市場の関心は高かったものの、市場を開拓できる有力な製品やサービス・コンテンツは登場しなかった。一方でHMDについては、有力な製品が登場しなかったものの、アプリケーション開発が急速に進み今後の市場拡大に向けた足掛かりとなった。

■2016年の市場見通し
2016年のウェアラブルデバイス世界(グローバル)市場規模(メーカー出荷台数ベース)は1億1,663万4,000台(前年比164.1%)の見込みである。カテゴリ別ではスマートバンド6,700万台(前年比144.5%)、スマートウォッチ4,226万3,000台(同190.5%)、HMD420万3,000台(同480.9%)、スマートグラス130万8,000台(同167.7%)、その他186万台を見込む。
スマートバンドは価格が安価なこともあって急速に普及したものの、コモディティ化しており競合メーカー間での差別化や、同じリストバンド型製品であるスマートウォッチとの棲み分け、収集するバイタルデータ(vital sign:脈拍や心拍数などの生命に関する最も基本的な数値情報)の高度化等が求められている。スマートウォッチについて、本格的な普及が始まり携帯電話メーカーの多くが市場に参入しているほか、著名な腕時計メーカーの一部が相次いで参入し始めている。それらの多くはスマートフォンとの連携を前提にしているものの、一部には4G通信モジュールを搭載した製品が出始めている。また、大手半導体メーカーによるプラットフォーム化の取り組みも本格化しはじめており、ハードウェア性能の更なる高度化が見込まれ、製品としての完成度が高まることが期待される。スマートグラスについては、2016年も有力な製品の登場が期待できない一方で、HMDについてはスマートフォンと組み合わせて使用する製品が登場し、また大手ゲーム機メーカーからゲーム機専用のHMD製品の発売が見込まれている。対応ゲームソフトの開発も進んでおり、2016年は大幅な拡大の見通しである。

■将来予測
2020年におけるウェアラブルデバイス世界(グローバル)市場規模(メーカー出荷台数ベース)は3億2,278万台を予測する。カテゴリ別ではスマートバンド1億5,410万台、スマートウォッチ1億3,420万台、HMD1,775万台、スマートグラス670万台、その他1,003万台を予測する。スマートウォッチ、スマートバンドはスマートフォンの周辺機器としてだけでなく、ウェアラブルデバイス関連の中核機器への成長が期待される。特にスマートウォッチについては、4G対応が進むと共にNFCを活用したアプリケーションやその利用シーンが増加すれば「ポスト・スマートフォン」としての地位を確立する可能性が高いと考える。

ウェアラブルデバイス国内市場

【図表:ウェアラブルデバイス国内市場の推移と予測】

【図表:ウェアラブルデバイス国内市場の推移と予測】
  • 矢野経済研究所推計
  • 注:メーカー出荷台数ベース、国内(日本)市場はウェアラブルデバイス世界市場の内数。
  • 注:2015年までは実績値、2016年は見込値、2017年以降は予測値
  • 注:国内市場におけるスマートバンドは活動量計、睡眠計等を含むスマートフォンと連携可能な健康器具のみを対象とした。

■2015年の市場動向
2015年のウェアラブルデバイス国内市場規模(メーカー出荷台数ベース)は209万2,000台だった。カテゴリ別ではスマートバンド140万5,000台、スマートウォッチ61万5,000台、スマートグラス3万9,000台、ヘッドマウントディスプレイ(HMD)1万6,000台、その他1万7,000台であり、スマートバンドが市場をけん引している。
スマートバンドは健康志向の高まりを背景に日本でも人気が高まっている。一部通信事業者でサービスを提供しており、利用者が増加傾向にある。またスマートバンドの価格は数千円台の製品が多く、気軽に購入できることも人気を後押ししている。スマートウォッチについては、大手スマートフォンメーカーの製品が発売された。販路が限定されたものの、高いファッション性を持ち、対応する同一メーカー製スマートフォンが広く普及していることもあり、堅調な販売を記録した。また、海外市場と同様、多くのメーカーが参入し大手家電量販店が積極的に取り扱った結果、国内市場に於いても本格的な普及が始まりつつある。
スマートグラス、HMDについては、話題のみが先行する形となり、全く普及が進まなかったが、法人市場向けには用途開拓が始まっている。

■2016年の市場見通し
2016年のウェアラブルデバイス国内市場規模(メーカー出荷台数べース)は358万5,000台(前年比171.4%)の見込みである。カテゴリ別ではスマートバンド188万台(前年比133.8%)、スマートウォッチ140万5,000台(同228.5%)、HMD20万1,000台(同1256.3%)、スマートグラス5万4,000台(同138.5%)、その他4万5,000台を見込む。
スマートバンドについては、低価格モデルを中心に市場拡大を見込む。スマートウォッチについては、スマートフォンメーカーや腕時計メーカーを中心に参入企業の増加が期待されている。スマートグラスについては依然として参入メーカーは一部に留まる見通しである。HMDは海外市場と同様に、スマートフォンと組み合わせて使う製品に加え、大手ゲーム機メーカーがVR(ヴァーチャルリアリティ)対応ゲームと併せてHMD製品の発売を計画しており、市場認知が急速に高まる見通しである。

■将来予測
2020年におけるウェアラブルデバイス国内市場規模(メーカー出荷台数ベース)は1,160万台を予測する。カテゴリ別ではスマートウォッチ650万台、スマートバンド350万台、HMD80万台、スマートグラス30万台、その他50万台になると予測する。
スマートバンドは、今後、日常的に使用する習慣づけが出来るアプリケーション、サービスが伴っていかないと一過性のものとなってしまう可能性がある。スマートウォッチについては、腕時計と比較して耐用年数が低いとされており、プロダクトとしての信頼性の確立に加え、本来腕時計が持つ「嗜好品」としての価値に対してどのような付加価値を消費者にもたらすことが出来るかが、国内における市場拡大の大きな鍵になると考える。スマートグラスについては、参入メーカーが非常に少ないこともあり大きな成長は期待できない。一方で、HMDについてはスマートフォン、ゲーム機向けコンテンツの増加に伴い成長が期待される。

※参考資料:ウェアラブルデバイスについて

ウェアラブルデバイスは、身体に装着して使用するIT機器の総称である。スマートフォンとの連携、もしくは機器単独でインターネット(クラウドサービス)に接続して様々なサービスやコンテンツを利用することが出来る。
本調査に於いては、
①スマートウォッチ
②スマートバンド
③スマートグラス
④ヘッドマウントディスプレイ(HMD)
⑤その他
に分類した。

【図表:ウェアラブルデバイスの概要】

【図表:ウェアラブルデバイスの概要】
  • 矢野経済研究所作成

関連リンク

■レポートサマリ
ウェアラブルデバイス市場に関する調査結果 2014
スマートフォン・タブレットの世界市場に関する調査結果 2014


調査要綱

調査期間:2015年9月~2016年3月
調査対象:携帯電話メーカー、ウェアラブル機器メーカー、ウェアラブルサービス事業者、通信事業者、国内半導体メーカー、海外ODM/EMS企業
調査方法:当社専門研究員による直接面談、展示会取材、電話・e-mailによるヒアリング、ならびに文献調査併用

※ウェアラブルデバイス市場とは:ウェアラブルデバイスは、身体に装着して使用するIT機器の総称である。スマートフォンとの連携、もしくは機器単独でインターネット(クラウドサービス)に接続して様々なサービスやコンテンツを利用することが出来る。
本調査におけるウェアラブルデバイス市場は、①スマートウォッチ、②スマートバンド、③スマートグラス、④ヘッドマウントディスプレイ(HMD) ⑤その他に分類し、メーカー出荷台数ベースで算出した。但し、スマートバンドの国内市場規模は、活動量計や睡眠計等を含むスマートフォンと連携可能な健康器具のみを対象とした。

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賀川 勝(カガワ スグル) 上級研究員
新興国が先進国に取って替わり世界経済を牽引している現在、市場が成熟化するスピードも早くなっています。そのような状況下でお客様にとって本当に価値ある情報を最適なタイミングでご提供出来る様、常に心掛けております。

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