矢野経済研究所 ICT・金融ユニット

レポートサマリー
2016.04.05

FAカメラ/マシンビジョン世界市場に関する調査結果 2015

2015年の世界市場規模は約2,460億円と堅調推移

FAカメラ/マシンビジョン世界市場の概況

【図表:FA カメラ・マシンビジョンの世界市場規模推移】
【図表:FA カメラ・マシンビジョンの世界市場規模推移】
  • 矢野経済研究所推計
  • 注:メーカー出荷金額ベース
  • 注: 国内市場規模は年度ベースで算出
  • 注: 2015 年は見込値

2015 年のFA カメラ・マシンビジョン(MV)の世界市場規模は、メーカー出荷金額ベースで前年比104.8%の2,459 億5,000 万円で、このうち国内市場規模は同105.5%の877 億5,000 万円の見込みである。
世界的な金融不況の影響で2009 年に市場は縮小したが、その後回復した。2012 年は前年までの設備需要に一巡感が見られたが、それ以降、市場は堅調に推移している。
この傾向は国内外ともに同様であり、各製造業における設備投資需要に連動しているものとみられる。
2015 年は国内需要も好調に拡大するとみるが、全般的には国内市場は海外市場と比較して成熟してきており、今後の成長率は鈍化するものと考える。
世界市場においては中国が注目されている。FA カメラ・マシンビジョン導入における生産工程の効率化や自動化は、中国において今後も大規模な需要があるものと考える。その後、東南アジア地域への需要のシフトがあるものと予測する。
ドイツ政府の進めるインダストリー4.0 など、製造業の高度化に向けた革新的な動きがあるが、FA カメラ・マシンビジョンのメーカーのなかには、これを大きな商機と捉えて製品展開を強化する企業もある。また製品展開のみならず、製造工程におけるソリューション型事業や支援事業に事業領域を拡大する動きもある。
2015 年には大手企業が事業部門の売却を行うなど、経営資源の集中の動きもあり、今後もFA カメラ・マシンビジョン業界においては事業の統合や淘汰、企業間における買収や連携が活発化していくものと考える。

FAカメラ/マシンビジョン世界市場の分野別動向

【図表:FA カメラ・マシンビジョンの世界市場における2015 年分野別構成比(見込)】
【図表:FA カメラ・マシンビジョンの世界市場における2015 年分野別構成比(見込)】
  • 矢野経済研究所推計
  • 注:メーカー出荷金額ベース
  • 注:専用マシンビジョンとは、食品・飲料用途、医薬品用途、及び生産ライン表面検査マシンビジョンのみを対象とする。
  • 注:2015 年は見込値

■FA カメラ
2015 年のFA カメラの世界市場規模はメーカー出荷金額ベースで540 億円の見込みであり、FA・マシンビジョン世界市場全体において22.0%を占めると見込む。
FA カメラ全体としては必要な用途以外でカラー化は見られないものの、デジタル化が進んでいる。
FA カメラにはエリアセンサカメラとラインセンサカメラがあるが、エリアセンサカメラでは高画素化が進展し、現状で2 メガ(2M)ピクセルまで標準化されており、今後は5 メガ(5M)クラスも台頭するものとみられる。
高画素化に伴い、撮像素子でもCMOS センサ採用が増加している。
一方のラインセンサカメラでは高精細の解像度を求めるユーザー企業と現状機能継続の意向を示すユーザー企業とに二極化される傾向にある。
またFA カメラと監視カメラは、各々の高機能化、高画素化により、ハード面ではなく、画像情報の共有による情報活用と解析で融合していくものと考える。
■ 汎用マシンビジョン
2015 年の汎用マシンビジョンの世界市場規模はメーカー出荷金額ベースで815 億円の見込みであり、世界市場全体における構成比は33.1%を見込む。
なかでもスマートセンサ(カメラとマシンビジョンのオールインワンモデル)が拡大しており、現状では既に10 万円を切った価格帯に需要の中心が移行している。
■ 専用マシンビジョン
本調査における専用マシンビジョンは、食品・飲料用途、医薬品用途、及び生産ライン表面検査マシンビジョンのみを対象としているが、これらは新しい用途分野として需要が拡大している。
2015 年の専用マシンビジョンの世界市場規模はメーカー出荷金額ベースで1,104 億5,000 万円の見込みであり、世界市場全体における構成比は44.9%を見込む。
一方で、従来の主用途である液晶やFPD(Flat Panel Display)、半導体、電子部品、自動車や金属分野における需要は依然として高く、これらの用途需要(アプリケーション)を含めると専用マシンビジョンの市場規模はさらに大きいものと想定する。

【図表:本調査における対象分野・機器の詳細】
【図表:本調査における対象分野・機器の詳細】
  • 矢野経済研究所作成

調査要綱

調査期間:2015 年4 月~10 月
調査対象:FA カメラメーカー、マシンビジョンメーカー等
調査方法:当社専門研究員による直接面談及び、電話・FAX によるヒアリングを併用

※FA(Factory Automation)カメラとは:本調査におけるFA カメラとは、製造ラインでの製品検査装置(マシンビジョン)に利用するカメラをさす。
※マシンビジョン(MV;Machine Vision)とは:本調査におけるマシンビジョン(MV)とは、製造業でのライン(半導体、自動車、食品飲料、医薬品など)における製品検査装置である。「製品に傷がないか」「ラベルが正しく貼られているか」等を、人間の検査者が目視で検査する代わりに、画像処理機能を用いて検査するものであり、FA カメラ、画像処理ソフトウェア、PC などで構成されている。なお、マシンビジョンは主に汎用マシンビジョンと専用マシンビジョンに大別されるが、このうち本調査における専用マシンビジョンとは、食品・飲料用途、医薬品用途、及び生産ライン表面検査マシンビジョンのみを対象とする。詳細については表を参照のこと。

森 健一郎(モリ ケンイチロウ) 主席研究員
市場の分析は、数字だけには留まりません。得られた数字の背景には、開発担当のパッションや、販売担当のため息、消費者の感覚の変化・・・など様々な人間くささがあります。こうした背景を踏まえたコメントを丹念に拾い、市場の将来像を予測分析していきたいと考えています。

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